桜色が綺麗なクイーンニーナ


取材:2020年9月16日
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清果園のぶどうのシーズンは9月の秋分の日の連休が過ぎるとそろそろ終わりに近づきます。2020年のぶどうの出来はどうだったのでしょうか?鮫谷さんにお伺いしました。

今年の天候の特徴は、7月下旬まで続いた梅雨の大雨、その後一転して8月は猛暑で夜も高温が続き、全く雨が降らないという状態でした。そんな中で、ぶどうのトップバッター、7月末から収穫が始まったデラウェア(小粒の赤色ぶどう)は、タイミングが大雨の直後に収穫時期が当たってしまったおかげで水分過剰で玉割れが発生しました。
今年のぶどうは無事に収穫できるかと心配されましたが、それ以降の品種はまずまずの品質で収穫できました。


巨峰

8月中旬に出てくる巨峰はしっかりした房で、立派なのが獲れました。巨峰と似ていますが、さらに色が濃いブラックビートも立派です。
鮫谷さんは「決して、昨年通りではなかった」と言います。悩みのたねは、夜の気温が下がらず高温が続くと、ぶどうの色が乗ってこないのだそう。8月下旬に出てくるピオーネは、普通なら真っ黒に見えるほど濃い色になるのですが、今年は色が薄くなってしまいました。

しかし、他の農園では、今年の天候条件のおかげで、ぶどうの玉がカビてしまうベト病という病気が発生して、農園じゅうに蔓延して収穫ができなかった農家さんもいたそう。「うち(清果園)は、他の農園とは傾向が違うんだよね。ベト病は少し出たけど、蔓延するようなことはなく大きな問題にはならなかったな。EMで栽培しているし、全部の房に袋をかけているから感染が広がりにくかった。」と鮫谷さん。


ブラックビート

また「色が乗るのと、甘みが乗るのは別の話」だそうで、味は土地柄が大きく影響するのだそう。この笛吹市一宮町の辺りはぶどうに適した土地(扇状地)で、ピオーネもその他の品種もしっかりと甘みが乗りました。そのため、もともと色がつかない白ぶどう系のシャインマスカットは問題なし。とても甘くて美味しい出来栄えでした。冒頭の写真の桜色が美しいクイーンニーナのように薄い色の品種も同様で、甘さがしっかり乗ってとても美味しくなりました。


シャインマスカット

今年は、コロナの影響が続き、ぶどう狩りに来店されるお客様が例年よりも随分と少なくなりました。お子さんの笑顔が見られないのは寂しいですね。しかし、リピートのお客様は、代わりに郵送でご注文された方も多かったようです。例年よりも発送件数は増えました。来年はまた皆さんに戻ってきてもらえるといいなと思います。

やっぱり、ふかふかの土を踏みしめて、ぶどうの房を眺めながら葡萄棚の木漏れ日の下を歩いて、ずっしり重たい房を切って収穫すると、味わいが違いますから。


記事:植村


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