取材日:2020年8月31日

昨年10月の台風19号で関さんの田んぼのすぐそばにある魚野川も氾濫しました。堤防と関さんの田んぼの間には、農道、その横には農業用水の水路があり、その横には田んぼの畦(あぜ)がありました。氾濫した魚野川はその農道と用水路を飲み込み、畦のほとんどを削り取って行きました。本当に間一髪、ギリギリ境が残り、田んぼへの流入は免れました。濁流が大切な田んぼの土を奪い取ってしまうと、翌年からの米作りに大きな痛手になります。大切な土が守られて、あ〜、よかった。

6年連続金賞を受賞していて、味と品質には定評のある関さん。今年の生育はどうですか?と、8月の終わりに訪ねました。今年の動画をご覧ください。


今年はもうほとんど田んぼの管理を息子の智晴さんに任せているとのこと。父の博之さんも息子の智晴さんも共に研究熱心な性格で、今のやり方に満足することなく、常により良い栽培方法を探して進化を続けていこうとしています。

昨年、智晴さんが新潟県胎内市の農家さんから、稲の一番高い位置の葉(止め葉)を長くする栽培方法を習い、今年それを実践しました。止め葉を長くすると何がいいのでしょう? それは、止め葉が長いとその分だけ太陽の光をたくさん浴びて光合成がより多くできるので、穂が充実して美味しい米になるのだそう。


今年の天候は、全国的に梅雨時期にほぼ毎日のように雨が降り、稲は天気が悪いので光合成が十分にできず、肥料成分が消費されずに余ってしまう傾向になりました。ここ南魚沼市でもあちこちの農家さんで稲の丈が伸びすぎて、倒れ始めているとのこと。しかし、関さんのところは、一般的な化成肥料ではなく発酵有機肥料のEMボカシを使っているので、穂の位置が低く作ることができたので、例年通り、倒伏せずに収穫できる見込みです。また、稲の病気もほとんど発生しておらず、順調に生育していました。

毎年異なる天候に合わせて上手く作るには、高い栽培管理技術が必要です。本当に頭が下がりますね。今年の関さんのお米、楽しみです!


記事:植村

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