取材日:2020年7月2日
梅雨の時期に滋賀県高島市新旭町でEM栽培のお米を作ってくださる小島さんと日爪さんを訪ねました。今年は、通常のコシヒカリに加えて、みずかかみという品種もEMで栽培してもらっています。みずかがみは、生長が早くて稲穂が実るまでの期間が短い品種なので、新米はコシヒカリより一足早く、9月上旬に収穫の予定です。おにぎりにした時にとても美味しいので、ぜひ一度味わって欲しいお米の一つです。
昨年は高温障害に見舞われ、滋賀県のこの地域では品質の良い1等米の割合が28%と苦戦しましたが、そんな中で、この地域で検査に出した全てのお米で1等米の評価をもらえたのは、小島さんただ一人でした。農家仲間から「何か特別なことしたの?」と聞かれても「いや〜何も特別ないことはしてないんだけど、秋に田んぼの土を天地返ししたからかな?」と首をかしげる小島さん。今年も無事に美味しいお米が獲れることを期待していますよ!
高島市は琵琶湖のすぐそばですが、田んぼの水は琵琶湖ではなく、遠い比良山系の山のミネラルが豊富に含まれた清流の水を農業用水に引いてきて使っています。川の上流では鮎が泳いでいるというので、連れて行ってもらいました。安曇(あど)川のダムのところでは、滝のように流れ落ちる水に逆らって魚道を飛び上がる鮎の姿が!(動画でぜひご覧ください)
そして、その下流では、川の中に入って鮎釣りを楽しむ釣り人の姿もありました。本当にきれいな水です。この清流をぜひ守っていって欲しいと思います。
日爪さんには農機具小屋も見せていただきました。高齢化で米作りが出来なくなった農家さんの田んぼを少しずつ借りて栽培面積を広げてきた日爪さんは、収穫量が増えるにつれて、徐々に米の乾燥機や保冷庫など設備投資をしてきました。個人農家ですが、規模が大きくなると人手も必要になります。「今までも高齢化で農家が減って田んぼが集約化されてきたけれど、その集約化した農家がこれから高齢化で引退していく時期になってくる。僕でも30ヘクタールの田んぼを管理しているけど、そんな農家が3人引退したら、100ヘクタールの田んぼを集約化していくことになるよね。」と、これからの米作りは個人農家から会社経営に切り替わっていく未来を語ってくださいました。大規模農業になった時、小さな面積に手をかけて、目をかけて、丹精込めて育てる米作りがどう変わっていくのでしょうか。
田んぼの中には今年もタニシやメダカがたくさんいました。そろそろ収穫の時期を迎えます。今年も美味しいお米が獲れますように!
記事:植村